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みっくすべじたぶる

日々の徒然・同人話題。ジャンルいろいろ。 レビューは容赦なくネタばれます。ご注意。
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宇宙戦艦ではなく

男たちのYAMATOを見てきました。

いつものごとく従兄と一緒に(爆)



ぶっちゃけた話、軍事オタには叩かれている気もある映画です。更に左からも叩かれ右からも叩かれ、しかし動員数は着実に伸びている。さてどんなもんかなぁと行ってきました。

半月ほど前に、ジャスコにあった特設のパンフの文面を見てそれだけで泣きそうだったので(爆)ハンカチを用意していきましたよ。



映画は大和が沈んで60年目の年に、大和が沈んだ海に行きたいと言う女性が来るところから始まる。荒れる海域だし、15時間以上もかかるから駄目だと断られた女性に、元大和の乗組員だった老人が船を出してくれる。船には15歳の少年が船員として乗り込んでいる。女性が持っていた写真や、女性が父から聞いたという思い出話、、また鮮烈な記憶の残る場所への航海という状況の中、自然と老人は当時のことを回想する、という構成。

大和に乗り込んだばかりだった少年兵たち、連日の訓練、仲間たちとのざまざまな交流。肉親の情、友情、愛情、様々な人間模様を軸に、そこにかぶさってくる「戦時」という現実。レイテ沖戦、弔い、最後の上陸と最後の出撃。死を目前に繰り広げられる様々な葛藤や人間の心のぶつかり合いが見ていて切ない。

海戦のシーンはとにかく、激しいの一言に尽きる。史実とは多少違った映画的な感じに仕上がってはいるのだろうが、なのに凄まじい迫力がある。(それでもまだ「甘い」そうだ)

飛行機からの機銃掃射で血の海と化す甲板。壁にばっと血の花が散るのだ。人間の体からあんなに血が一瞬で吹き出すのかと思考が停止する。息つく暇もなく、次々血まみれで倒れる人。吹き飛ばされて落ちていく者。それでも逃げずに機銃にしがみつき、空へと向かって撃ち続ける兵士たち。最後の別れを前に、死んだら駄目だ、死んだらあかんと言い続けた日本に残してきたそれぞれの大切な人の言葉が虚しく響く。

そして大和は沈む、たくさんの人間のたくさんの思いを悲劇を抱いたまま。運良く生き残った者たちもまた、生き残ってしまったが故の苦しみを引きずりながら生きていくことになる。生き残ってしまってごめんなさいごめんなさいと、泣き叫ぶ少年の姿は胸に痛い。

そして大和が沈んだ海にたどり着く3人。女性は友が眠る海に撒いてくれとの遺言に従って父の遺骨を海に散骨する。「ただいま帰りました。長く生きさせていただいてありがとうございました」と父の言葉を代弁しながら。

この最後のシーンで、女性が思うもの、老人が思うもの、そして少年が感じ取るもの。鉢巻をした少年の顔が、少しきりっとしているのは気のせいだろうか。そうではないと思う。



全体的に、ヒューマンな部分を重点的にした映画なので、純粋に軍事的に見たら奇妙な点、当時の状況から考えるとおかしな点も多いようだ。また史実にしたがっていない部分も多いらしい。例えば「片道燃料で」というくだりがあるが、実際には往復以上の燃料が積まれていたのは事実だし、ある程度の年齢以下の仕官候補は下ろされていた(乗せてくれと泣いて追いかけたとかそんなエピソードも)。また護衛の航空機が一機もない、との話も、実際は途中までついてきたとか、来ないはずの航空機がきて帽子をふったなどという話もあるらしい。

細かい所をつついていくときりはないのだが、戦争反対とか軍事的知識とか右翼とか左翼とか、そういうものをちょこっと横において、見て欲しい映画である。戦争は嫌。戦争は悲しい。あらゆるイデオロギーやナショナリズムやリアルを超えて、それは人間としての正しい願いではあると思うけれど。

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